
こんな疑問に答えていきます。
米国高配当株が長期投資におすすめな理由
高配当株式投資は、文字どおり配当を得ることを目的とした投資方法です。
結論から言うと、高配当株式投資をするなら、日本株ではなく、米国株がおすすめです。
理由を解説していきます。
長期投資に高配当株が向いている理由
そもそも、なぜ高配当株に投資することが良いのでしょうか?
理由としては以下のようなものが考えられます。
・定期的な収入(インカムゲイン)が得られる
・配当を再投資することで複利で資産が増える
高配当株投資の戦略は、バイ&ホールドが基本です。
買ったら一生持ち続ける戦略なので、長期積立投資に最適なのです。
日本人は高配当株が大好き
日本人は株式の配当が大好きです。
配当分配型の投資信託も非常に人気です。
しかし、実態は価格が下落していてトータルリターンが減っている、いわゆるタコ足配当になっている投資信託も多いです。
毎月配当の魅力
日本人の投資家にとって、毎月配当という言葉には魔力があるようです。
・生活資金の足し
という視点で見ると、確かに毎月一定の配当金があるのは魅力的です。
毎月の配当=給料もしくは年金、を連想するのでしょうか。
毎月分配というキーワードだけで、怪しい投資商品を買ってしまう人も多いのです。
配当生活のための投資利回り
配当だけで生活する、いわゆる配当生活は投資家の憧れです。
では、実際、高配当株式で配当生活を送るにはどのぐらいの利回りが必要なのでしょうか。
年間の配当金200万円、を目標とした場合
・年利5%で4,000万円
が必要になります。
資金5,000万円を用意するのはなかなか厳しいですが、4%運用利回りというのが配当投資を行う際の、ひとつの目安になります。
配当生活を目指すのであれば、高配当株式での運用、という考えが出てくるわけです。
なぜ米国高配当株なのか
高配当株式投資はどこから始めたら良いでしょうか?
結論から言うと、高配当株投資をするのには、日本株よりも米国株で始めるべきです。
米国株が日本株よりも有利な理由としては
・業績が安定している
・連続増配を50年以上続ける企業もある
といった点が挙げられます。
日本株は連続増配銘柄が少ない
増配とは、前年よりも株式の配当金が増えている状態のことです。
日本株では花王の29年連続増配が最長ですが、米国には30年以上増配を続けている企業がたくさんあります。
連続増配が可能と言うことは。好調な業績を安定的に長年継続できる企業ということです。
おすすめ米国高配当株7選
それでは、具体的におすすめの米国高配当株の銘柄を見ていきましょう。
コカ・コーラ(KO)
・配当利回り:3.4%
・売上:72億ドル
世界中で誰もが知っているコカ・コーラ。
圧倒的な歴史と業績で増配企業としても有名です。57年連続増配の記録を持っています。
ウォーレンバフェトも長期保有しているので有名な銘柄です。
マクドナルド(MCD)
・配当利回り:2.3%
・売上:37.6億ドル
世界119ヶ国に4万店を展開する、世界最大の外食チェーン。
歴史は長く、43年連続配当という実績があります。
安定した配当と株価の成長が望める有望株です。バフェット保有株です。
ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
・配当利回り:2.8%
・売上:207億ドル
140年近い歴史を誇る、世界的なヘルスケアメーカー。
58年連続増配という輝かしい実績があり、生活費需品ということもあり、不況期にも安定したパフォーマンスを出しています。
こちらもバフェット保有株です。
P&G(PG)
・配当利回り:2.3%
・売上:177億ドル
世界180カ国で販売されている、世界的メーカー。
63年連続増配という超安定企業で、知名度、実績とも素晴らしいです。バフェット保有株です。
スリーエム(MMM)
・配当利回り:3.7%
・売上:72億ドル
62年連続増配というすばらしい記録を持つ企業です。
ポストイットなどの文房具でもお馴染みですよね。配当も4%近くあり、業績も安定しています。
株価は2018年をピークに、やや下落傾向です。
アイ・ビー・エム(IBM)
・配当利回り:5.4%
・売上:181.2億ドル
コンピューター業界の重鎮、アイビーエムです。
25年連続増配という素晴らしい実績を誇っています。
株価は2013年以降下落傾向にありますが、その分配当は5%を超える高配当となっています。
AT&T(T)
・配当利回り:7.2%
・売上:410億ドル
世界最大の通信会社AT&Tです。
日本ではあまり馴染みがありませんが、31年連続増配を続ける超優良企業です。
株価は2016年をピークにやや下落傾向となっており、その分配当利回りは7%を超えています。
エクソンモービル(XOM)
・配当利回り:10.1%
・売上:326億ドル
世界的な石油メジャーのエクソンモービル。37年連続増配を続ける一流企業です。
コロナショックもあり、株価の下落傾向が著しいのですが、利回りは10%を超える超高利回りとなっており、買い時とも言えます。
おすすめ米国高配当株ETF3選
米国高配当個別株はかなりの数がありますが、少数銘柄に絞るのは難しいですし、リスクもあるので万人にはおすすめできません。
分散のためには、10銘柄程度を選択する必要がありますが、財務状況や今後の業績を検証しながらの銘柄選びは、なかなか労力がかかります。
そこでおすすめなのが高配当銘柄を集めたETFです。
代表的な3つを紹介します。
バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
・約400銘柄 金融 ヘルスケア
・配当金利回り 3.54 %
・経費率 0.06%
高配当銘柄を集めたETFの中でも、銘柄数約400銘柄と非常に多くを組み入れているのが特徴です。
バランスよく分散が効いていて、なおかつ4%近くの配当利回りを出しています。一つ選ぶならVYMがおすすめです。
iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF(HDV)
・約75銘柄 エネルギー ヘルスケア 通信
・配当金利回り 4.36%
・経費率 0.08%
構成銘柄数が74銘柄とやや少ないですが、コカ・コーラ、P&G、エクソン・モービルなど大手高配当株の構成割合が大半を占めていて、安定した配当が期待できます。
構成銘柄や比率について、頻繁に入れ替えを行なっていることも、高利回りを実現している要因かと思われます。
SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)
・約80銘柄 不動産 金融
・配当金利回り 5.64%
・経費率 0.07%
不動産、金融、エネルギーセクターを中心とした、個性的な銘柄を揃えた高配当ETF。
均等配分で株式を保有するスタイルのETFです。景気敏感株も多いので銘柄入れ替えも頻繁に行なっています。
5%以上の高利回りを実現していることもあり、人気の高配当株ETFです。
高配当株のみのポートフォリオは効率的か
高配当株のみのポートフォリオを組むのは効率的か?というと、個人的には微妙です。
理由を説明していきます。
高配当株のみで大丈夫なのか
まず高配当株には減配のリスクがあります。
長年連続増配を続けていたエクソンモービルが、コロナショックの影響で増配がストップしました。
また高配当ETFのSPYDも減配の発表をしています。
株価の下落リスク
高配当株は、経済危機や業績悪化などにより、株価の下落が起きると
→さらに業績が悪化
→さらに株価が下落
といった悪循環が起きやすいという特徴があります。2020年現在は、まさにこの状況です。
投資としては、配当の高さだけでなく株価の上昇・下落を加味したトータルリターンで考える必要があります。
高配当株のトータルリターンはどうなのか
高配当株のトータルリターンは好況期か不況期か、で変わってきます。
・好況時は成長株が強い
という特徴があります。
不況期は高配当株が優位性があります。配当再投資のリターンが効いています。
株価の上昇、下落をどう考えるか
リーマンショック以降、米国市場の好況期が続いています。
米国株、特にGAFAMを筆頭としたハイテク銘柄の勢いが圧倒的です。
いっぽう、株価の上昇という意味では高配当銘柄は見劣りします。
配当利回りだけではなく、値上がり益を含めたトータルのパフォーマンスを見る必要があります。
ポートフォリオを分散させるメリット
高配当株と成長株を、バランスよく配分したポートフォリオにするのが良いです。
現状は成長株に投資するのが正解という状況ですが、ずっと継続するかはわかりません。
今後、株式市場が冷え込んだ場合でも、高配当株の安定した配当があれば、パニック売りをしないで済みます。
投資全体として低迷期を耐えるという意味でも、高配当株をポートフォリオに組み入れるのは合理的な判断と言えます。
まとめ
・個別株はリスクもあるおすすめはETF
・高配当株式投資のデメリットも理解しよう
では。また。