
こんな疑問に答えていきます。
米国のハイテク株ブームはいつまで続くか【おすすめ銘柄あり】
現在、世界の経済成長を牽引しているのは、ほぼ米国株です。
米国の株式市場の高騰は、ハイテク株と呼ばれる情報技術系の株式がメインとなっています。では、ハイテク株にはどういったものがあるのでしょうか?
検証していきます。
ハイテク株とは?
ハイテク株とは、2000年ごろまでは、高度な技術力を持つ企業、精密機械や電子部品関連企業の銘柄を指していました。
しかし、2000年以降、インターネットの普及とともに人々の生活スタイルも大きく変化し、ハイテク株と呼ばれる銘柄も多様化しています。
・ソフトウェア
・クラウド
・eコマース
・バイオテクノロジー
・情報セキュリティ
・自動運転
・IoT
・ロボット
・AI
・フィンテック
・ブロックチェーン
ひとくちにハイテクといっても、関連する分野は多岐に渡ります。
以前まではなかった業態が次々生まれてるので、追いかけるのはなかなか大変です。
ハイテク株が人気の理由はやはりGAFAM
今や世界の株式時価総額の2割を占めるまでに成長したのが、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)です。
株式投資でも当然、GAFAMは注目の銘柄です。
GAFAM人気の理由は、現代生活になくてはならないサービスや商品を提供している企業だから、ということですね。
それでは、直近のGAFAMの2020年2Qの業績について、簡単にみてきましょう。
Google(2020年2Q)
・YouTube広告収益 $3.8B (+5.8%)
・クラウド売上 $3B (+43.2%)
広告売上がやや落ちているのが気になるところですが、Google Playのアプリやゲームのダウンロード数は前年同期比で35%以上増加し、堅調です。
Apple(2020年2Q)
・iPhone: $26.4B (+1.7%)
・Mac $7.1B (+21.6%)
・iPad $6.6B (+31%)
・ウェアラブル等 $6.5B (+16.7%)
・サービス $13.2B (+14.8%)
コロナの影響で在宅PC需要が増えており好調を維持しています。MacとiPadが伸びていますね。
デジタルサービスが好調で、サブスクユーザーは5億人を突破しています。
Facebook(2020年2Q)
・ユーザ数(日次):17.9億人(+12%)
・ユーザ数(月次):27億人(+12%)
インスタやWhatsAppも含めると30億人以上がFacebook関連のサービスを利用しています。
WhatsApp Businessなどの業者向けのサービスも好調です。
Amazon(2020年2Q)
・北米: $55.4B (+43.4%)
・海外: $22.7B (+38.5%)
・AWS: $10.81B (+29%)
コロナによるECの需要拡大で売上40%増と、大幅に業績が伸びています。
クラウド事業のAWSも絶好調で死角なしです。
Microsoft(2020年2Q)
・Azure +47%成長
クラウド事業のAzureが50%近い伸びで絶好調。
SaaS型CRMパッケージのDynamics365も売上に貢献しています。汎用人工知能のOpenAIなど、先進的な取り組みもはじめています。
GAFAMに続け!おすすめ米国ハイテク株9選
では、ハイテク株はGAFAMだけおさえておけば大丈夫かというと、やや不安があります。
各社、業績・決算は好調ですが、ここ数年のような株価の伸びが継続するかどうかはわかりません。そこで次のGAFAMになりそうなハイテク株銘柄を見ていきます。
Tesla(テスラ)
鬼才イーロンマスクCEOのテスラ。世界を代表する電気自動車メーカーです。
テスラは蓄電池の生産プロダクトを内製化をすることで、燃料電池の品質を劇的に向上させています。
自動車メーカーというより電池メーカーといっても良いぐらいです。
Netflix(ネットフリックス)
日本でもすっかりおなじみとなったネットフリックス。は、映画やテレビ番組のストリーミング配信を提供する企業です
コロナの影響下の巣篭もり需要は旺盛で、世界中で一気にユーザー数を拡大しています。
CrowdStrike(クラウドストライク)
急成長のクラウドサービスセキュリティ分野で注目されている企業です。
エンドポイントと言われる、PC、スマートフォン、タブレットなどの端末機器のセキュリティサービスを提供しています。
リモートワークの広まりで、セキュリティの対象がオフィスのセキュリティから、社員の使用端末機器単位になってきたことに対応するサービスです。
ZOOM(ズーム)
クラウドプラットフォームを使用したビデオ会議、音声会議、チャット、ウェブセミナーなどの ウェブコミュニケーションサービスを提供しているのがZOOM。
日本でもリモート会議等で広く使用されるようになり、認知度が高いサービスです。前年比7倍という凄まじいで成長を見せています。
shopify(ショピファイ)
shopifyeは、カナダ初のeコマースのプラットフォームです。世界で100万社以上がshopifyを利用しており、現在ECサイトのシェアNo1となっています。
近年の急速な成長ぶりからAmazonキラーと呼ばれています。
square(スクエア)
実店舗におけるクレジットカード決済を、スマホやタブレットで可能にするサービスを提供しているのがsquare(スクエア)。
コロナの影響で実店舗の売上は減少。しかし、オンライン決済のシステム、モバイルアプリにも力をいれており、業績は改善見通しです。
snap(スナップ)
スナップは写真・動画共有アプリの「スナップチャット」を提供しています。
アメリカではティーンエイジャーを中心に、インスタグラムより人気のアプリと言われています。日本ではまだ利用者が少ないですが、まちがいなく今後伸びるサービスです。
Okta(オクタ)
クラウドサービスへのシングルサインオンサービスで躍進しているのがオクタです。
ユーザーがサービスことにパスワードすることの手間を省く、ログイン管理サービスを提供しています。
TWLO(トゥイリオ)
音声通話、メッセージ、映像などを既存のサイトなどのサービスに、簡単に追加できるクラウドAPIプラットフォームを提供しているのがトゥイリオです。
リモートワークの拡大で、音声映像機能をシステムに追加する企業が増えているなかで、業績を伸ばしてきています。
クラウド系銘柄のETFへの投資も有望
近年、ハイテク株のなかでもクラウド・サブスクリプション(継続課金)のビジネスモデルの企業が業績をのばしています。
そこで、これらのクラウド系企業へ投資する人も増えていますが、新興の会社が多いため、銘柄の選定はなかなか難しいのが実態です。
そこで、こうしたクラウド系のハイテクセクターに、まとめて投資できる特化型ETFは非常に便利です。
Global X Cloud Computing ETF(CLOU)
・ズームビデオコミュニケーションズ ZM
・ゼットスケーラー ZS
・クーパ・ソフトウェア COPU
・ショピファイ SHOP
・ベロシティホールディング PCTY
Global X Cloud Computing ETFは、近年業績を伸ばしているクラウド事業の企業を、36銘柄ほど組み入れてカバーしている ETFになります。
まだ出来たばかりのETFですが、今後さらに期待ができます。
ハイテク株投資に危険はないのか【検証】
近年のGAFAMの躍進と、新興のハイテク系銘柄の好調ぶりを見ると、ハイテク株に死角はないようにも見えますが、実際のところ危険はないのでしょうか?
検証してみます。
人気セクターは時代ごとに変わる
株式市場は、時代ごとにトレンドがあります。
日本株、米国株とも過去の株価を見ると、それぞれの時代ごとに旬の成長セクターがあることがわかります。
・1990年代 ITブーム
・2000年代 エネルギー・生活費需品
・2010年代 ハイテク(GAFAM)
株式市場は10年ほどの周期でトレンドが移り変わっています。
今後の見通しは難しいですが、大きな好不調の波はありうる、と思った方が良いでしょう。
過去のハイテク株ブーム、2000年のITバブルとは
インターネット黎明期であった90年代終わりから2000年前後に起きたのが、 ITバブルです。「ドットコム企業」と呼ばれるインターネット関連企業が次々に設立されました。
収益や業績が殆どない企業でも、「IT」というキーワードだけで株価があがる異常な相場だった時期です。ドットコム・バブルとも呼ばれています。
ITバブル当時のハイテク株一覧
ITバブル期に株価ば高騰したハイテク銘柄を挙げると
・Sun Microsystems
・yahoo
・netscape
・Qualcomm
・DELL
・Verizon
・AT&T
・HP
といった銘柄がありました。今では成長した大企業もたくさんありますが、今はなくなった会社もたくさんあります。
ナスダック指数はピーク時から70%も下落し、2015年の回復まで15年もかかりました。
ITバブル当時のドットコムバブル株チャート
2000年当時のITバブル時の銘柄と現在のハイテク株を、それぞれの代表的な企業の株価で比較してみましょう。
QUALCOMM
クアルコム(QCOM)は、1985年創業のモバイル通信企業です。1991年のIPO価格から株価が200倍近く高騰しました。
Tesla
ご存知Tesla(テスラ)は、2020年に300%近く上昇しています。
ハイテク株ブームと2000年のITバブルとの違い
最近テスラのチャートなどを見ると、近年のハイテク株ブームは、2000年当時のITバブルのピークと似ているようにも思えます。
しかし、当時とは状況が違う面もたくさんあります。
・世界人口の激増、若い世代が激増している
・ハイテクによって既存産業も変化している
インターネットやSNS,スマートフォンが生活の一部になっている現代と、インターネット黎明会だった2000年とは状況が大きく違います。
ハイテク株は長期的には右肩上がりだが暴落の危険はある
結論でいうと、ハイテク株の暴落はあり得ます。
・金融引き締め政策
・戦争・災害・疫病など
コロナショックも事前予測は全くできないような事象でした。現在のハイテク株高騰が、この先も続くかはわかりません。
米国株も、ITバブルやリーマンショッククラスの暴落を何度か挟みつつ、成長していくことが予想されます。
ITバブル時のように、暴落期間が数年にわたる状況も十分に考えられます。投資家も短期的な暴落に耐えられるように、資金管理を行う必要があります。
◎まとめ
・クラウド事業系など新興の銘柄がおすすめ
・暴落も十分あり得る。資金管理は余裕を持って
では、また。