
こんな疑問に答えていきます。
「仮想通貨は儲からない」は本当か【過去の相場を検証】
「仮想通貨は儲からないし、危ないからやめた方が良い」と言われたりしますね。
実際、ビットコインは現在まで爆上げ、爆下げを繰り返しています。
では、実際、仮想通貨は儲からないのでしょうか?
順番に見ていきます。
ビットコイン価格の推移を振り返る
仮想通貨ビットコインの誕生からおよそ10年がたちました。
金融資産、投資商品として、一般に認知され始めたのはここ数年のことです。
この間、ビットコインの価格は一直線に上昇したわけではなく、何度かの大きな暴落、暴騰を経て成長してきています。時系列で見ていきます。
ビットコイン誕生〜2011年
ビットコインの誕生は、2008年10月31日。サトシ・ナカモトが作成したホワイトペーパーを元に開発されました。
2010年5月 1BTC=約0.2円
ビットコインの最初の取引は「ピザ2枚=1万BTC」でした。1万BTCは現在の価格で1400億円にもなります!
2010年7月 Mt.Goxサービス開始 1BTC=7円
2011年4月 TIMEでBTC特集 1BTC=80円
2011年6月 最初のバブル 1BTC=1,500円
2011年、米国のTIME誌で特集されたことを受け、価格が暴騰しました。ビットコインの最初のバブルといっても良い時期です。
2013年のバブル
2013年10月 中国のバイドゥがBTC決済を開始 1BTC=1万4千円
2013年12月 NHKでビットコイン特集 1BTC=12万円
年明けに1BTC=2,000円だった価格は、12月には一時12万円を突破します。
1年間で60倍にも価格が高騰しました。
2014年バブル崩壊
2014年2月 マウントゴックス閉鎖 1BTC=1万8千円
2014年7月 DellがBTC決済を採用 1BTC=6万円
2014年に日本の最大手仮想通貨取引所のマウントゴックスで、85万BTC(約470億円)がハッキングされる事件が起こります。
マウントゴックスは閉鎖。これを機にビットコインの危険性が一気にニュースとなり、価格は前年の最高値から80%を超える下落となりました。
2015~2016年 停滞期
2015年1月 Bitstampがハッキング被害 1BTC=3万円
2016年7月 2回目の半減期 1BTC=7万円
マウントゴックス事件以降2015〜2016年にかけては、停滞の時期が続きました。2016年末にかけてようやく上昇の兆しがでてきます。
2017年 バブル再び
2017年4月 日本で「改正資金決済法等」施行 1BTC=12万円
2017年8月 ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク 1BTC=45万円
2017年12月 CMEがBTC先物を開始 1BTC=200万円
2016年〜2017年にかけて、中国での仮想通貨ブームに続き、日本でも仮想通貨が一大ブームとなりました。
ビットフライヤーやコインチェクなどの仮想通貨取引所が、ネット広告やスマホアプリの取引で登録者を爆発的に伸ばした時期です。
2017年9月の中国の取引所の一斉閉鎖で、一時価格が下落するものの、その後は主要取引を日本が牽引し、12月には史上最高値の220万円を更新します。
2018~2019年 再び低迷期
2018年1月 コインチェックNEM流出事件 1BTC=110万円
2018年3月 Googleが仮想通貨の広告掲載禁止 1BTC=95万円
2019年6月 Facebookがリブラ構想発表 約80万円
日本の取引所、コインチェックでの仮想通貨NEMの大量流出事件を契機に、ビットコインの急落が始まります。
2018年1月には前年の最高値更新からわずか1ヶ月で、50%近い大暴落となりました。
その後もビットコイン価格は下落トレンドに突入し、2019年には一時40万円になりました。その後は価格を持ち直し、2019年末には100万円まで価格を戻しています。
2020年 コロナショック~再び高騰へ
2020年3月 コロナウイルスの感染拡大 1BTC=52万円
2020年5月 3回目となる半減期 1BTC=100万円
2020年はビットコイン価格は大きく変動しました。
年初で100万円を突破しましたが、コロナショックで50万円近くまで価格が暴落。しかし2020年10月現在では130万円まで価格を戻して上昇中です。
株式、金(ゴールド)との比較
株式には、スタート期、成長期、停滞期、下落期、の価格のライフサイクルがあります。
しかし、金やビットコインなどの現物資産は、企業とは違いそれ自体では何も利益を生み出しません。
では、なぜ価格が上がるかというと、
・みんなが欲しいと思う
・劣化しない、価値が保全される
こうした特徴をもっている現物資産は、時間とともに右肩あがりで価値が上がっていきます。
つまり、長年に渡って価値の保全がされるもの、としてビットコインが投資対象として選ばれているわけです。
ビットコインと他の金融商品のパフォーマンスを比較してみる
それでは、仮想通貨ビットコインと他の金融資産とで、近年の成長度にどの程度の差があるのでしょうか?
直近5年間のパフォーマンスを比較してみます。
日本株
日経225 2015〜2020年→1.23倍
2015年からの5年間はアベノミクスでの金融緩和時期で、日本株は好調でした。
2020年のコロナショックで一時は30%近くも下落したものの、5年間のトータルでは23%増となっています。
米国株式
S&P500 2015〜2020年→1.67倍
NASDAQ 2015〜2020年→2.28倍
GAFAMの業績が絶好調の米国株式。
ハイテク銘柄を中心にコロナの影響も短期間で回復し、S&P500で67%増、ハイテク銘柄を多く含むNASDAQでは128%増と絶好調です。
米国債権
BND 2015〜2020年→1.07倍
米国の主要債権銘柄で構成されているのがバンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)です。
世界的な金融緩和で長期金利がゼロ金利が進んでいることもあり、パフォーマンスは今一つ。コロナの影響もあり、7%増にとどまっています。
金(ゴールド)
COMEX 2015〜2020年→1.75倍
米国の金取引指数がCOMEXです。
金融緩和とコロナの影響もあり、5年間で75%増の驚異的な伸びを記録しています。
不動産
(出典:土地代データ)
東京都23区土地 2015〜2020年→1.32倍
現物資産の代表である不動産の価格推移をみてみましょう。
アベノミクスの金融緩和、銀行融資が積極的に行われたこともあり、特に東京都心のオフィス需要が旺盛で、東京23区の取引地価は5年で32%増となっています。
現物投資
ROLEX 2015〜2020年→1.5倍
こちらは現物投資で、ここ20年で価格が高騰している高級時計ロレックスの相場です。
5年間で50%近いリターンとなっておりかなり有望な投資先です。
仮想通貨
BTC/USD 2015〜2020年→41.8倍
そして、最後はビットコイン。誕生から10年で価格は天文学的な上昇率を見せています。
過去5年でも40倍以上のリターンとなっており、他の金融資産よりも圧倒的な高リターンをたたき出しているのが分かります。
仮想通貨で儲けるための原則5つ
仮想通貨は、数ある投資先の中でも長期的にはかなり有望な投資先であることはパフォーマンスを見ても明らかです。
しかし、2017年の仮想通貨バブルでは、大きく損失を出して撤退した投資家も数多くいます。
仮想通貨投資で確実に設けるための注意点についてみていきます。
草コインには手を出さない
現在、仮想通貨には3000銘柄以上あります。
草コインとは、ビットコイン以外のアルトコインの中で時価総額が低いマイナー銘柄のこと。
2017年の仮想通貨バブルの際は、どんなマイナーな草コインを買っても価格が上がるような異常な相場でした。
しかし、下落相場になると、そうした草コインからは一気に資金が抜かれてクラッシュしてしまいます。ほぼ価値が0になった銘柄もたくさんあります。
ビットコイン、イーサリアムなど時価総額10位以内のコインでないと、長期投資には向かないと断言しても良いと思います。
収益構造がしっかりしている仮想通貨を見極める
2017年当時はICOブームで、たくさんの実態のない仮想通貨プロジェクトが乱立しました。
適当なホワイトペーパー(事業計画書)と、派手なマーケティングで投資初心者を集めるだけで、数十億円規模の資金を集めることができました。
現在はそうした中身のないICOはほぼなくなりましたが、通貨発行の主体がしっかりしたプロダクトや戦略を持っているか、実業としてもしっかりした収益構造を持っているか、を見極める必要があります。
ビットコインに投資する
身も蓋もない話ですが、金融商品のひとつとして仮想通貨を長期保有するなら、ビットコイン一択になります。
何度かのバブルと暴落を経て、ビットコインはようやく一般投資家や機関投資家にも、金と同等の価値がある資産アセットだ、という認識が生まれてきています。
現在のBTC価格は株価や金などの、伝統的な資産との価格の連動が顕著になってきています。
ボラティリティが少なくなってくるにつれて、一気に倍になるような値動きは無くなってくるので、保守的な投資家が仮想通貨に参入してくることが予想されます。
FXトレードをしない
仮想通貨は以前ほどの激しい値動きは無くなってきましたが、依然として株や為替に比べるとボラティリティは大きいです。
レバレッジをかけた取引、特に空売りは大きな損失を出す危険性があります。
仮想通貨トレード自体は、利益が出る手法ですが、ハイレバレッジの仮想通貨FXはリスクが大きいので初心者は手を出さない方が無難です。
長期保有する 暴落しても持ち続ける
相場は常に変動があるもの。しかし、仮想通貨は、個別株と違って業績のファンダメンタルがなく、金のような現物資産に近い、希少性が特徴です。
したがって、仮想通貨は長期保有することで、資産価値の上昇が見込まれる金融資産と言えます。
仮想通貨全体の時価総額は、まだ株式の100分の1程度。少なくとも金の現物と同等以上の時価総額となることは予想されます。
文字通りデジタルゴールドを期待できる資産なので、一時の暴落を耐えて持ち続けることで大きく資産を増やすことが可能です。
◎まとめ
・ビットコインの投資リターンは圧倒的
・長期投資ならBTCに投資するのが無難
では、また。