
こんな疑問に答えていきます。
年金収入だけでセミリタイア後の生活は大丈夫なのか?
年金収入だけでセミリタイア後の生活は大丈夫なのでしょうか?
年金受給までまだだいぶ先ですが、将来どのぐらいもらえるのか、気になりますよね。
というわけで、順番に見ていきましょう。
年金額は所得代替率で決められる
年金額は所得代替率という指標をベースに決められています。
所得代替率とは、
年金収入を現役時代の所得で割ったもので、現役時代の収入の何割が年金でもらえるのかと言う指標です。
2019年の試算だと平均の所得のモデルで
22万円 ÷ 35万円 = 60%
となり、現役時代の6割の年金額となっています。
ちなみに、現在40歳の人が65歳になる、2045年ごろには所得代替率は50%になる見込みとなっています。
しかし、所得代替率はあと25年以上は50%以上に維持される予定のため、実は年金の月額が大幅に減ることはないのです。
年金保険料を払うのは無駄ではない
最近の若い人の中には、「どうせ自分の年代だと年金はあてにならないから保険料は払わない」と考えるひとがいます。
結論から言うと、この考えは間違いです。年金保険料を払うのは無駄ではないです。
国民年金の受給額は月6万5千円。統計で見ると、独身者の平均の年金受給額は、厚生年金を合わせて17万ぐらい。少ないと感じる人もいるかもしれません。

月10万円の年金、年間120万がタダでもらえるということは、4,000万円を年利3%で運用した収益と同じ。と考えるとなかなかの金額です。
若いうちは、老後のことなど考えもしないですが、40歳を過ぎると人生の短さを実感します。
晩年にお金の心配が減るということは、人生に安心感を与えてくれます。
年金受給開始年齢の引き上げ
先ほどの年金の将来見通しからすると、意外にも将来の支給額が激減することはなさそうです。
では、年金の不安はないと言えるでしょうか?
答えはNOです。
年金の月額はさほど減りませんが、
「生涯もらえる年金額」が少なくなるのです。
どういうことかと言うと、
年金の受給開始の年齢が引き上げられるからです。
2022年に年金法の改正がある
年金の受給開始時期を65歳より後に遅らせると、もらえる金額が加算されます。
2022年4月からこの繰り下げ受給の開始年齢を、75歳まで伸ばすことが可能になります。
現在の繰り下げ受給は70歳まで。5年遅らせた分、年金額が増えるということです。
しかし、これは年金の65歳支給開始年齢を70歳まで引き上げるための布石ではないか?といわれています。
イギリスでは、実際、68歳まで段階的に受給開始を引き下げることが決まっています。
繰り上げ受給の改正もある
繰り下げ受給と逆に、受給開始時期の繰り上げ、つまり65歳前に年金をもらうことも可能です。
繰り上げ受給とした場合、毎月の年金支給額は減らされますが、この減額率が改正で変わります。
現在は1か月 0.5%減額なのが、改正後は 月0.4%減となります。
例えば
60歳からの受給開始の場合
・改正後:24%減額
に変わるということです。
今まで年金額が月額20万円の年金額の人が、60歳から年金をもらうと、月額14万円に減額されます。それが改正後は15万2千円に増えるのです。
国としては、繰り上げを推奨してでも、年金給付額を減らしたい、という意図が見られます。
繰り上げ受給は損なのか?
一般的に、60歳で年金をもらい始める繰り上げ受給は損、と思われがちです。
しかし、年金財政はひっ迫していますので、今後、受給開始年齢が70歳に引き上げられる見込みです。
それに伴い、繰り上げ受給開始時期も65歳からに引き上げることも検討されています。そうなると、24%減でも早めに年金を貰っておくというのは、実は得かもしれないのです。
いったんもらい始めた年金額が停止される、受給額が減額されるということはまずありません。前回、受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際も、繰り上げ受給者の支給には影響がありませんでした。
・60歳繰上げ支給をすると、年金額は年間 152万円
になります。確かに減額にはなりますが、5年間で760万円も先にもらえます。
この間に生活費を年金以外でまかなえれば、760万円を運用でまわすことも可能ということです。
保険料納付期間も延長されるかも
保険料納付期間の延長も検討されています。
20歳~60歳 → 20歳~65歳 で、払込み期間が5年延長されます。
当然、保険料を払いこむ金額が増えることになります。早めに繰り上げ受給を検討したほうがよいかもしれません。
早期退職すると年金はどのぐらい減るのか
では、早期退職すると受け取る年金額はどのぐらい減るのでしようか?
ねんきん定期便で見てみましょう。
年金受給額はどれぐらい減るのか
毎年誕生月に、年金機構からねんきん定期便というハガキが送られてきます。
ねんきん定期便には、年金受給額の試算額が記載されています。
これを元に、あなたが早期退職した場合の年金額の概算を出すことが可能です。
計算方法は、65歳年金支給予定額から
標準報酬月額 × 7.125÷1000 × 早期退職した月から60歳までの月数
をマイナスした数字になります。
ねんきん定期便で見る早期退職後の年金見込み額
計算例
・標準報酬月額30万円
・50歳で早期退職
の場合
300,000円 × 7.125÷1000 × 120か月(10年) = 256.500円
となり、65歳以降の年金額は
2,000,0000円 - 256,560円 = 1,743,440円
なので、ひと月の年金額は、16万6千円から14万5千円 の 2万1千円マイナスとなります。
退職後、会社を作ると節税が可能
退職後、会社を作り厚生年金に加入すると節税が可能です。
月額8万の役員報酬にすると、最低ラインの保険料率設定になります。
・厚生年金 16,000円
になります。(※地域によって異なります)
さらに、法人は社会保険料の半分を負担するので、個人負担は2分の1
・年金保険料 8,000円
になります。かなりの節税ができていることがわかります。
会社法人は経費の範囲が広く、損失も10年繰り越せるなど節税メリットが大きいのです。
自分年金をつくろう
退職から年金開始までの収入をどう確保するか、が重要になります。
55歳で退職の場合、必要額は120万円×10年で1200万円
年金受給まではなんとか収入を確保していくことがマストになります。
そこで、自分年金の構築方法を考えてみます。
iDeCoを活用して資産運用
iDeCoは個人型年金拠出制度のこと。
iDeCoの概要は
・運用益も全額控除になる
・拠出期間は60歳まで
・60歳までは引き出せない
・60歳以降は好きな時に受け取れる
全額所得控除になるので節税メリットが大きいです。
積立上限については、サラリーマンは27万 、フリーランスは81万です。
もらい方は、
・一時金で一括でもらう
のどちらかになります。
分割でもらう場合は、公的年金等控除
退職時に一時金にすれば、退職所得控除
が使えます。所得税が0となる場合もあります。
節税メリットが大きいのでまず、投資はまずiDeCoから始めましょう。
NISAで積立資産運用をしよう
年金以外に収入の確保は大事です。
セミリタイアする前には、積立投資をしておく必要があります。
iDeCoの次のステップで、積立にはNISAを活用しましょう。
長期運用にはどんな商品が良いかというと
・インデックス投資
・金 ビットコイン
などがおすすめです。国に頼らない自分年金の構築が重要です。
将来の年金額は、ねんきん定期便などを確認してシミュレーションしてみましょう。
65歳までの収入をどう確保するか
問題はやはり65歳までの収入をどう確保するかです。
現在50歳の人の場合、60歳で繰り上げ受給したとしてもあと10年あります。年金支給までの毎月の定期収入は、セミリタイア後でも必要になってきます。
定期収入は
・フリーランスの仕事
・短期労働・バイト
で得ていくのが現実的です。
セミリタイア後の収入確保については、退職前に真剣に考えておく必要がありますね。
今日のまとめ
・年金の受給開始が遅くなる可能性大
・早期退職から65歳までの収入を確保しよう
それでは、今日もセミリタイア目指して頑張っていきましょう!